nanoLC/MS/MS測定について
- 担当スタッフ:網本 智子 (E-mail: amimotohiroshima-u.ac.jp, 内線:東広島2483)
はじめに
2014年度に「ナノ・キャピラリー・マイクロフロー高耐圧クロマトグラフィーシステム」(通称nanoLC)が導入され、2015年4月に利用開始となりました。
これにより、微量タンパク同定のためのnanoLC/MS/MS自動分析が可能となりました。
直接測定(相互利用)では、夜間や週末のダウンタイムを利用して、割安な料金で多検体の自動測定を行うことができます。
また、依頼測定のお申し込みも受け付けておりますので、ご不明な点は担当者までお問い合わせください。
測定サンプルについて
当施設では酵素消化などのサンプル調製や脱塩などの前処理はできませんので、 利用者個人で調製および前処理を施し、nanoLCにそのまま注入できるサンプルをご持参ください。
- 未消化タンパク質や不溶物質がnanoLCの分離カラム(C18)、トラップカラム(C18) および配管に詰まることを防⽌するため、また、 チューブ可塑剤由来のポリマーを事前に除去するために、酵素消化後のサンプルは、ZipTip (C18) などのチップカラムまたはスピンカラムにより、あらかじめC18に吸着するペプチドのみを回収・溶出したものをnanoLCに注⼊するようにして下さい。 この操作によりサンプルロスは少なからず起きますが、利用者個人の都合で省略し、その結果nanoLCシステムを詰まらせた場合には、利用者の費用負担により分離カラム・トラップカラム等を交換していただきますので、あらかじめご了承下さい。
- 注入量は100ngまでとさせていただいております。
ショットガン分析のように、精製なしまたは粗精製のタンパク質で、かつ、多量のサンプル注入をご希望の場合、あらかじめタンパク量を量っておいてください。 大量のサンプルを打ち込むと、分離カラム・トラップカラム及び配管が強烈に汚染されます。 洗浄による回復ができない場合には、これらの交換費用を請求させていただきますので、予めご了承下さい。
プロトコール
先端物質科学研究科・中の三弥子先生(nanoLC管理者)監修のプロトコールを掲載します。参考にしてください。
nanoLC/MS/MSによるタンパク同定のための・・・
「ゲル内消化法_Ver2」
「注入前サンプル処理法_Ver3」
データ解析について
プロテオーム解析ソフト「Proteome Discoverer」によりタンパク同定を行うことができます。検索アルゴリズムには、MASCOTやSequest HTなどを選択できます。
依頼測定の場合も、原則として解析は依頼者ご自身で行っていただきます (J108室の解析用PCをご利用下さい)。ただし、東広島キャンパス以外からご依頼の方には、ご指定のパラメータで担当者が解析することも可能です。